2021年09月28日

抗原検査キット


厚生労働省は27日、新型コロナウイルスの感染の有無を調べる「抗原検査キット」の調剤薬局での販売を解禁しました。

抗原検査キットは、これまでもインターネットやドラッグストアで販売されていましたが、これらは「研究用」と呼ばれる製品で、厚生労働省が承認したものではなく、精度なども不確かだとして一般の人が感染の有無を調べる目的で使用すべきではないとされていました。

これに対し、厚生労働省が承認した抗原検査キットは「医療用」とされ、医療機関などでの使用が進められてきましたが、一般の人が購入することはできませんでした。こうした中、今回、感染者を早期に発見し、確実に医療機関への受診につなげるためとして、承認を受けた医療用の抗原検査キットのうち15のキットについて、薬局での販売が認められたとの事です。

これらは医薬品医療機器法の「薬局医薬品」に該当し、適正な使用を確保する必要があるため薬局は、薬剤師により、必要な情報提供や薬学的知見に基づく指導を行うとともに、適正な使用を確保できないと認められる場合は、販売又は授与してはならないこと、また、販売した数量や日時などの記録を2年間保存することが求められます。

急に発表されたので驚きましたが、

・抗原検査キットは使用期限が短い→事前購入しても期限が切れる可能性がある。
・喉や鼻腔からの検体採取を自分でやることが難しい。
・結局病院で再度PCR検査しないとコロナにかかったと証明できない。また、陰性証明にもならない。
・検査キットの値段が1000円~5000円/個と幅がある(認可されてるとはいえ、値段と精度の差が分かりにくい)

薬剤師の管理下で販売する良い点は、ドラッグストアと異なり未認可の抗原検査キットを扱う事が無い点でしょうか。
精度の高いPCR検査ができる機関を増やすなど、もっと検査体制を充実させる施策をしたほうがいいんじゃないという気もしますが、少しでも不安を減らし 「安心を買う」 という意味では抗原検査キットの使用も必要かもしれません。当薬局でも抗原検査キットを置きたいと思います。

※参考【抗原検査】
 抗原検査とは「いま体内にウイルス(=抗原)がいるかどうか」を調べる検査です。鼻を綿棒でグリグリし、ウイルスにくっつく検査用の抗体と、鼻や喉の奥などから採取したサンプルを反応させます。サンプルの中にウイルスがあれば、検査用の抗体と抗原抗体反応を起こすので、ウイルスがあることが分かります。
抗原検査の長所は検査結果がすぐに分かる点、短所はウイルスの存在をキャッチする能力がPCR検査に比べると低く、PCR検査よりも本当の感染者を多く見逃すであろう点です。つまり陰性になった場合、PCR検査以上に「本当に感染していないかどうか疑わしい」ということになります。ただし新型コロナウイルス感染症では、ウイルス量が多いとされる発症から9日目以内の有症状者についてはPCR検査での結果との一致率が高いことから、抗原検査での結果はそのまま確定診断として用いられます(2021年1月31日現在)。




  

Posted by サンジ at 14:31Comments(0)薬局・医薬品