2019年03月28日

薬剤師会講演会(2019年度調剤薬局・ジェネリック医薬品に関する制度変更)

本日は、沢井製薬の学術担当の方から表記の講演で研修会がありました。
2019年は天皇陛下の交代に伴う年号の変更、10月には消費税が上がり、それによる前倒しの臨時の診療報酬改定が行われます。更にその半年後にも普通の改訂が行われ、1年おきに薬価改定もあるという絶望的な未来しか見えません。

厚生労働省は社会保障の改革を進めるため、徹底的に弱いもの潰しにかかっており、製薬企業では工場閉鎖やリストラが始まってますが、医薬品卸や薬局も時間の問題でしょう。

ただ、生きていくためには文句を言ってたり絶望してる暇はないので、前を向くしかありません。当面は地域支援体制加算で求められてる薬局を維持し、後には「専門医療機関連携薬局」という、医院の専門分野のように、薬局も得意分野を標榜するような事が求められていくようです。

後半は4月からの医療用医薬品添付文書の新記載要領と、製薬メーカーの販売情報提供活動ガイドラインの強化についての話でした。
添付文書は薬剤によって記載がまちまちでしたが、これから5年かけて、全ての添付文書の記載内容を統一するとの事で、以前に比べると見やすくなり添付文書は電子化されて提供されるようです。
ガイドラインは分かりやすく言うと、説明会での弁当提供の禁止ですね。「ディオバン事件」を好機に、厚生労働省は製薬メーカーの粛清を図り、上記の薬価引き下げと合わせ業界をスリム化していき、全ての医療財源を削っていくんだと思います。製薬メーカーの後援で成り立ってる学会等は規模削減やランチョンセミナーの中止等で、報酬改定の影響をほとんど受けてない医師にも、その感触は徐々に伝わっていくんではないでしょうか。ちなみに厚生労働省が推奨してるジェネリック医薬品普及率を、地域別や保険別に分けた時に比率が低いのは医師国保が多いとの事でした。

  

Posted by サンジ at 21:38Comments(0)研修会

2019年03月20日

不動医薬品在庫(デッドストック)の効率化

当薬局は立地上、いろんな病院や医院からの処方箋を扱わせて頂いており、取り扱い製品が多い反面、不動在庫も多いです。開封した不要・不動在庫の管理は経営面から非常に大事で、今までは近隣や知り合いの薬局で互いにやりとりをしてましたが、それも限度があり、月にもよりますが、1万円~10万円くらいの薬剤を毎月期限切れで廃棄してました。

昨今の医療報酬改訂で、医師以外の職種はマイナス改訂になり、特に製薬会社と医薬品卸はかなりダメージを受けてるのを実感します。

医薬品卸は、4月から小包装の販売中止、少し前から倉庫の在庫の削減をあからさまに分かるようにやってます。本来は円滑な医薬品の流通が仕事であるのに関わらず、将来を見越して比重を経営主体に移行し、苦しい事情を理解してもらおうとしてる感と、患者や得意先を軽視してる事は伝わってきてます。卸も将来的には・・・。まあ、薬局も同じですが。

というわけで、「みんなのお薬箱」という株式会社EPARKが運営している、調剤薬局向けの不動在庫(デッドストック)売買仲介サイトを使用して、薬剤の小分け売りをすることにしました。ヤフーオークションのような感じで薬を売買する感じですね。出品者は薬価の10%の手数料がかかり、購入者は薬価の2%の手数料がかかります。更に出品者は宅配代も出費するため、ある程度の値引き金額+手数料+宅配代を差し引いて利益が出ないと損する形になります。

この会社にサイト利用を申請したのが、1月末で、3週後に書類の不備訂正の連絡があり即日で書類を返送したのですが、その後は何も連絡がないので、最初の申請から1か月半が経過した時点でこちらから連絡したら、書類は受け取ってるという回答だけで翌日に書類が送られてきました。人体に関わる医薬品を扱おうとしてる会社にしては、かなりアバウトな手続き・対応でした。小分け売りには ①イーパークによる薬剤の買収 ②オークション形式の2パターンがあるのですが、信頼性や法律上の問題から ①は絶対に止めておこうとスタッフと話になりました。

早速、絶対投薬されないであろう6品目(1年以上の有効期限は残ってます)を勝手が分からないため、適当な値段で出品しました。薬価は高いけどマイナーな薬なので売れずに廃棄するんだろうな程度で出品したんですが即日完売になりました。私も驚いてしまい、発送の準備で普段の仕事+αになってしまったため大変でしたが、2日以内に各薬局に発送できました。「薬局開設許可証」は「みんなのお薬箱」の方で保証してくれてるため法令上の問題はなく、普通の小分け売りになります。今回は6万円分くらいの薬剤を出品しましたが、値引き、手数料、宅配代の経費を差し引くと約半額になりました。廃棄するだけを考えると、経営面や残薬問題による課題等から今後はこういうサイトの積極活用も必要になってくるでしょうね。



  


Posted by サンジ at 08:06Comments(0)薬局・医薬品経営

2019年03月13日

抗インフルエンザウイルス剤 『ゾフルーザ』 の耐性④

昨日のニュースで、『国立感染症研究所は12日、新しいインフルエンザの治療薬「ゾフルーザ」に耐性を持つウイルスが、治療薬を服用していない患者から検出されたと発表した。治療薬を使った患者の体内で増殖した耐性変異ウイルスが他の人に感染した可能性がある。耐性変異ウイルスが広がると、ゾフルーザが効かないおそれもある。感染研などが2018年11月~19年2月に採取されたA香港型のウイルスを解析したところ、ゾフルーザを使っていない生後8カ月~12歳の3人から、治療薬に耐性を持つ変異ウイルスが見つかったという。ゾフルーザは塩野義製薬(大阪市)が開発し、昨年3月に発売された。1回錠剤をのむだけで済み、使い勝手がいいことから今シーズン多くの医療機関で処方された。18年10月~19年1月に国内の医療機関に供給されたゾフルーザは約550万9千人分。昨シーズンの約40万人分から急増した。』

ゾフルーザ未使用例で耐性が・・・。普通は薬を使い過ぎたため耐性菌が出てくるるわけですが、
① 耐性ができやすい薬剤なのか?
② 上記記載のように耐性ウイルスが感染力を持ったのか?
③ 元々、耐性ウイルスが存在してるのか、インフルエンザウイルスの変異に対応できてないのか?
という事が考えられます。ウイルスは進化していくので、永遠と効くような特効薬は無いのですが、このままいくと耐性の頻度はどんどん上がっていくと思われます。今年はインフルエンザは収束(終息)してるので問題ないですが、まもなくゾフルーザの顆粒製剤も発売され、来年は多くの子供に投薬される可能性は高いです。顆粒の発売で小児科医は抗インフルエザウイルス薬の選択が難しくなるのではないでしょうか?詳細な検討が国とメーカー間で必要な気がしますね。




  
タグ :ゾフルーザ


Posted by サンジ at 08:04Comments(0)薬局・医薬品

2019年03月10日

3月10日(日)休日当番

本日は近隣クリニックの行政による輪番制の休日当番のため8:30~19:00まで開局しました。インフルエンザも収束(終息)傾向で若干名しか来局されず、そんなに混みませんでしたが、半数以上の方が胃腸炎でした。娘の幼稚園でも今週は胃腸炎で欠席の子供が多かったみたいですが流行しているようです。

私が仕事の間、妻と娘は静岡市民文化センターで開催された『ブラバン・ディズニー!コンサート』に行ってました。




前から4列目の席を取りましたが、前の3列には人が座ってなかったようで迫力満点だったようです。コンサートのアンコールで「舞台に上がって演奏しよう♪みんなでブラバンディズニー!」というコーナーがあり、バンダイ「ライト&オーケストラフルート」が推奨されていたので、事前に娘に買って練習?させて参加しましたが、子供はほとんどいなく、ラプンツェルの恰好で向かった娘は目立ってしまったようです。コンサート対象が吹奏楽をやってる大人や中高生だったようですが、舞台の真ん中でフルートの演奏が出来て(写真の真ん中にいますが小さいので見えないです)、本人が楽しかったと言ってたので良かったと思います。




スタッフは交代で休みますが、私は休まずに2週連続で仕事が続きます。今週は早めに休息して頑張りたいと思います。



  


Posted by サンジ at 20:45Comments(0)経営

2019年03月05日

風疹の抗体検査(無料)のお知らせ:静岡市保健所

本日、写真のハガキが静岡市保健所より家に投函されてました。

昼のニュースでも「風疹の患者数は、先月24日までの1週間に新たに109人報告され、今年の患者数は650人になりました。1週間の患者が100人を超えるのは今年初めてで、国立感染症研究所は、今年は大きな流行になるおそれがあるとして注意を呼びかけています。」と報道されており、患者は30~50代の男性が多く、ワクチンの接種歴がないか不明の人が大半との事です。

以前、親に子供の頃の風疹ワクチンの接種について確認しましたが、あっさり「何も覚えてない」と言われ、自費で打ってもらうがどうか考えていたのでタイムリーでした。4月頃にはクーポンが送付されてくるとの事です。大都市で流行してるため静岡では感染の可能性が少ない気もしますが、旅行等で東京に行くことが多いですし、ワクチン接種しても効果発現に2週間~1か月を考えると、私のような仕事を休めない人間にとっては少しでも早く打った方が安心できる気がします。

【参考】
風疹(rubella)は、発熱、発疹、リンパ節腫脹を特徴とするウイルス性発疹症である。症状は不顕性感染から、重篤な合併症併発まで幅広く、臨床症状のみで風疹と診断することは困難な疾患である。咳などで飛沫感染、潜伏期間は2〜3週間、感染力はインフルエンザ以上に強い。風疹に感受性のある妊娠20週頃までの妊婦が風疹ウイルスに感染すると、出生児が先天性風疹症候群を発症する可能性がある。男女ともがワクチンを受けて、まず風疹の流行を抑制し、女性は感染予防に必要な免疫を妊娠前に獲得しておくことが重要である。





  

Posted by サンジ at 20:12Comments(0)経営