2022年08月31日

『ジクトルテープ75mg』説明会

今日は久光製薬のMRさんより、「ジクトルテープ75mg」の説明会をしていただききました。

ジクトルテープは昨年発売された薬剤で、癌患者の疼痛緩和目的で販売が開始されましたが、今年の6月に「腰痛症、肩関節周囲炎、頸肩腕症候群及び腱鞘炎における鎮痛・消炎」に効能追加となり、整形外科・一般内科等で使用できる幅が広がりました。この薬は簡単に言うと、ボルタレンテープ15mgの5枚分を濃縮した貼付剤です。ただ、濃度を上げたからといって効率的に吸収されてる訳ではないようで、ジクトルテープ75mg×3枚とボルタレン錠25mg×4錠が効果としては同等に当たるそうです。

特徴は、
〇 全身作用型のため、疼痛部位に限らず貼付可能な部位(胸、腹部、上腕、背中、腰、太腿)に貼ることができ、貼付部位を毎日変えることで皮膚への負担の軽減が出来る。
〇 薬効分類上は「解熱鎮痛消炎剤」に当たり、処方制限のある湿布薬(1処方につき63枚)には該当しない。
〇 経皮吸収型製剤のため、経口剤の投与が困難な患者さんや嚥下困難な患者 さんにも投与可能
〇 食事により投与タイミングの制限がないのと、服薬状況が目視で確認できる(貼付忘れや過剰投与の防止)。
〇 経口非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)と胃粘膜保護薬を併用してる患者さんの場合、胃粘膜の副作用のが少ないジクトルテープに変更する事で単剤で痛みのコントロールができる。
〇 変形性関節症の適応はない。

かなり鎮痛効果は強いという印象を受けましたが、他に効果が強いとされる局所作用型のロコアテープと比較するデータが出てくれば面白いのではないかと思いました。


  

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2022年05月30日

片頭痛治療剤 「レイボー®錠 50mg/100mg」説明会

本日は第一三共株式会社MRさんより、6/8発売予定の片頭痛治療剤 「レイボー®錠 50mg/100mg」の説明会を薬局で行って頂きました。
昨年は片頭痛の注射薬が立て続けに3つ(抗CGRP抗体、抗CGRP受容体抗体)発売されましたが、それに続き経口の治療薬が発売され、この分野は薬剤開発が活発化しています。

片頭痛の原因は明確には解明されていませんが、何個かある仮説の中で有力である「三叉神経血管説」にレイボーは有効との事でした。レイボーは三叉神経終末のセロトニン5-HT1F受容体を刺激することでCGRPの分泌を抑制し、血管の過度な拡張や炎症・痛みを抑えます。ちなみに、既存の片頭痛治療薬であるトリプタン製剤は三叉神経終末5-HT1D受容体と血管内皮細胞5-HT1B受容体の作動薬です。血管内皮細胞5-HT1B受容体が刺激されると血管が収縮しますが、レイボーは5-HT1B受容体への作用がほぼ無いため、血管収縮に影響を与えないといった特徴があります。

従って、トリプタン製剤で禁忌とされている、心筋梗塞、虚血性心疾患、脳血管障害、一過性脳虚血性発作の既往、末梢血管障害、コントロールされていない高血圧症などの片頭痛患者さんに対してはレイボーが選択できると思われます。また、トリプタン製剤との大きな違いは、片頭痛の痛みが出てからでも十分に効果を発揮する点だそうです。片頭痛の前兆がある方には、トリプタン製剤を頭痛が起きる直前に使用することで高い効果を示すことが多いと思いますが、朝起きた時にはすでに片頭痛とか、前兆がはっきりしない片頭痛には十分な効果を発揮することができませんでした。そういった方にもレイボーは効果を発揮する可能性があるとの事でした。

レイボーの類似品は現在は開発されてないとの事でしたので、当面はトリプタン製剤に加えて、「レイボー」が片頭痛急性期の救世主になる可能性がありますね。

「三叉神経血管説」
三叉神経は頭部、顔面、口、鼻、角膜、硬膜などの感覚を司っている脳神経であり、何らかの刺激により三叉神経からサブスタンスP、ニューロキニンA、CGRPといった血管作働性の神経ペプチドが過剰に分泌されます.CGRPは血管拡張作用がある物質のため、血管のCGRP受容体に作用すると、血管の過度な拡張によって周囲の神経が圧迫されて痛みを生じます。その他にもCGRPは炎症反応を増強させたり、痛みを増強させる作用もあるため、これらの作用によって片頭痛が引き起こされるというものです。





  

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2022年03月18日

薬剤師会研修会

昨日は薬剤師会研修会をZOOMで聴講しましたが、内容はこの時期なので「令和4年度調剤報酬改定」の解説でした。

「服薬状況等の一元的・継続的な把握と、それに基づく薬学的管理および対物業務の効率的実施を前提とした対人業務への転換」をテーマに改定が行われたようですが、コロナ禍や後発医薬品不足が全く無かった感じで改定が行われた辺りに国の本気度が伝わってきました。

4月に行われる薬価改定は過去10年で2番目に大きい1.35%の引き下げに加え、これほど劇的に変化した調剤報酬改定内容は今までは無かったのではないかと衝撃を受けましたが、一番大きかったのは「調剤料」が「薬剤調製料・調剤管理料」に分かれたことではないかと思います。
加えて一包化加算が「外来服薬支援料2」として算定されることにより、Q&Aが出てないので確定はしてませんが、改訂内容から読みとると、“お届け”のみの施設調剤の調剤料や一包化加算が算定できなくるようです。コロナ禍で面会不可の施設へFAX処方箋を一包化して配達する業務を行ってる薬局は多いと思いますので、今後はどう対応していくのでしょうか。調剤の外部委託が現実になるのもそう先の話ではないのかもしれません。

年々厳しい内容になってきてますが、薬剤師・薬局が、薬学的知見に基づく取り組みや多職種連携をしながら機能を発揮することが求められてるのは感じますので、先を読みながら前向きに取り組んでいきたいと思います。





  

Posted by サンジ at 20:44Comments(0)研修会

2020年12月17日

Webセミナー薬剤師会研修会

本日は、はなみずきクリニック 院長 鈴木 節夫 先生より、「うつ病の診断と薬物療法」の講演をWebセミナーで聴講しました。
コロナ禍で精神疾患が増加してきている事、メンタルクリニックへの受診に対する抵抗感は薄れてきてるが、初診までに時間がかかりすぎる事、併用禁忌であるMAO阻害薬の服用を診察場面では把握できないことがあり薬局で併用薬を確認して頂けると助かる等のお話でした。しかし、webセミナーは家でリラックスして聴講できるのが本当に良いです。

関係ないですが、薬局の入口の白いタイル(3m×8m)を定期的にデッキブラシを使って清掃してますが、最近は白タイル間のコンクリートが茶色くなってきており、こすっても漂白しても汚れが落ちないためネットで調べたら、どうやら「もらいさび」ではないか?との事だったので、「茂木和哉 サビ落とし スプレー200ml」×4本を購入して清掃しました。事務さんが清掃してくれましがが、液体をスプレーした瞬間にサビが紫色に浮き上がり、かなり臭かったですが、10分放置して水で流すと茶色だったのが白く戻りました。出来上がりを見ると爽快感がありましたが、たぶん違いに気付く人はいなく、清掃した事務さんと私しか分からないだろうねって事で話は終わりましたが、コロナを含めて今年1年の汚れを落とすために、気付いた場所は年末掃除をしたいと思います。










  

Posted by サンジ at 21:22Comments(0)研修会

2020年11月11日

ウエビナー(Webセミナー)薬剤師会研修会

本日は、前橋赤十字病院 呼吸器内科 副部長 堀江健夫先生より、「呼吸器疾患吸入フロー ~吸入指導を考える」についての講演をZoomによるウエビナーで聴講しました。

新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、集合研修会は半年くらい中止になってましたが、最近はwebセミナーという形で再開されるようになりました。今までは仕事が終わってから、研修会に参加するのが体力的に辛かったのですが、web研修会は①会場まで移動する必要がない②移動の時間が掛からない③自宅で参加ができる等のメリットが良いですね。今まではメーカーさんの研修会等は誘われても行くことは無かったのですが、家だとテレビをつけて流し見をするような感覚で参加できるので、何件かの講演会を聴講させて頂きましたが医療経済的にも良い方向性だと思います。goto学会の方が経済は回ると思いますが、この新型コロナウイルスを機会に、今後の全国の研修会・学会はweb開催にシフトしていった方がいろんな意味で医療業界的には正解ではないかと個人的には思います。

講演内容は、医師と薬剤師で構成された「群馬吸入療法研究会」による、誰でもわかりやすく正確に吸入ができるように吸入デバイスの使用方法を標準化した手順書(セブンステップアプローチ)についての説明でした。こういう医師との連携によるファーマシューティカルケアが出来るのはうらやましい限りですね。勉強になりました。

https://www.gunyaku.or.jp/public/kyuunyuu/index.html








  

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