2023年03月17日
HIF-PH阻害薬説明会
本日は、協和キリン株式会社MRさんより、HIF-PH阻害薬「ダーブロック」の説明会をして頂きました。
最初のHIF-PH阻害薬(腎性貧血治療薬)が発売になってから3年が経過しますが、今まで投薬する機会が無かったため存在を知ってる程度でしたが、最近になり投薬したり話題に出ることも多くなってきたため、しっかり勉強することにしました。
・HIF-PH阻害薬に大きな副作用はない(消化器症状が少しある)が、急激なHb上昇は血栓塞栓症発症のリスクが考えられる。また、血管新生や血管透過性の亢進により、網膜出血や悪性腫瘍が増える可能性もある。
・ダーブロック錠はクロピドグレルと併用注意。
・エリスロポエチン製剤との違いはEPO産生を促す作用に加え、鉄代謝を改善する作用を持つ。
現在、5剤のHIF-PH阻害薬が発売されてますが、それぞれの薬剤の比較をしました。
① エベレンゾ錠 20mg、50mg、100mg (2019年11月発売)
② ダーブロック錠 1mg、2mg、4mg、6mg (2020年8月発売)
③ バフセオ錠150mg、300mg (2020年8月発売)
④ エナロイ錠2mg、4mg (2020年11月発売)
⑤ マスーレッド錠 5mg、12.5mg、 25mg、75mg (2021年4月発売)
・5剤いずれも特に問題となる禁忌を有してないが、、エベレンゾ・エナロイ・マスーレッドの3剤は 「妊婦又は妊娠の可能性のある女性」も禁忌。
・4剤は1日1回の服用となっているが、エベレンゾのみ週3回 (2~3日に1回) の投与。
・エナロイは空腹時服用、マスーレッドは食後服用の制限があるが、 ダーブロックとバフセオはで食事の有無は問はない。
・透析の有無、ESAによる前治療の有無、ESAの投与量等により開始少量が異なるが、バフセオは唯一、全ての場合において同一 (300mg) の開始用量となっている。
・用量はいずれも段階的に設定されており、血液検査の結果を元に用量を調節していくが、バフセオが一番用量の段階が少なく、用量調節がシンプル。それに続くのがエナロイで、エベレンゾ・ダーブロック・マスーレッドはいずれも8段階の用量調節になっている。
いずれの薬も併用禁忌は存在しないが、ダーブロック以外のHIF-PH阻害薬は多価陽イオン含有製剤 (鉄、アルミニウム、Mg、Ca) やリン吸着薬と併用することで血中濃度が大きく減少する。貧血に対して鉄剤を併用する場合や透析時にリン吸着薬を併用するケースはよくあるので注意が必要かもしれません。
比較だけを見るとおのずと選ばれる薬剤は絞られてくる気もしますが、医師の選択した薬剤の特性を理解できればと思います。
最初のHIF-PH阻害薬(腎性貧血治療薬)が発売になってから3年が経過しますが、今まで投薬する機会が無かったため存在を知ってる程度でしたが、最近になり投薬したり話題に出ることも多くなってきたため、しっかり勉強することにしました。
・HIF-PH阻害薬に大きな副作用はない(消化器症状が少しある)が、急激なHb上昇は血栓塞栓症発症のリスクが考えられる。また、血管新生や血管透過性の亢進により、網膜出血や悪性腫瘍が増える可能性もある。
・ダーブロック錠はクロピドグレルと併用注意。
・エリスロポエチン製剤との違いはEPO産生を促す作用に加え、鉄代謝を改善する作用を持つ。
現在、5剤のHIF-PH阻害薬が発売されてますが、それぞれの薬剤の比較をしました。
① エベレンゾ錠 20mg、50mg、100mg (2019年11月発売)
② ダーブロック錠 1mg、2mg、4mg、6mg (2020年8月発売)
③ バフセオ錠150mg、300mg (2020年8月発売)
④ エナロイ錠2mg、4mg (2020年11月発売)
⑤ マスーレッド錠 5mg、12.5mg、 25mg、75mg (2021年4月発売)
・5剤いずれも特に問題となる禁忌を有してないが、、エベレンゾ・エナロイ・マスーレッドの3剤は 「妊婦又は妊娠の可能性のある女性」も禁忌。
・4剤は1日1回の服用となっているが、エベレンゾのみ週3回 (2~3日に1回) の投与。
・エナロイは空腹時服用、マスーレッドは食後服用の制限があるが、 ダーブロックとバフセオはで食事の有無は問はない。
・透析の有無、ESAによる前治療の有無、ESAの投与量等により開始少量が異なるが、バフセオは唯一、全ての場合において同一 (300mg) の開始用量となっている。
・用量はいずれも段階的に設定されており、血液検査の結果を元に用量を調節していくが、バフセオが一番用量の段階が少なく、用量調節がシンプル。それに続くのがエナロイで、エベレンゾ・ダーブロック・マスーレッドはいずれも8段階の用量調節になっている。
いずれの薬も併用禁忌は存在しないが、ダーブロック以外のHIF-PH阻害薬は多価陽イオン含有製剤 (鉄、アルミニウム、Mg、Ca) やリン吸着薬と併用することで血中濃度が大きく減少する。貧血に対して鉄剤を併用する場合や透析時にリン吸着薬を併用するケースはよくあるので注意が必要かもしれません。
比較だけを見るとおのずと選ばれる薬剤は絞られてくる気もしますが、医師の選択した薬剤の特性を理解できればと思います。
Posted by サンジ at 16:32│Comments(0)
│薬局・医薬品
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